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黎明媚態

露出系、羞恥系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。

露出への転落1

 ふらふらと、街の中を歩いていく。
 いつも歩いているはずの街が、全く違う場所のように思えた。
 大きな歩幅で歩くエミリさんに手を引かれ、私は同じように歩幅を大きくせざるを得なかった。
 足を動かすたび、スカートがはためく度に頼りない感覚があそこに感じられて、私は顔が燃え盛るほどに熱くなっていた。
 まだ人気のない道を歩いているのに、これで周りに人がいたらどうなってしまうのだろうか。跳ねまわる心臓が爆発してしまうのではないかとちょっと心配になる。
 ふと、前方を歩いていたエミリさんが、私の方に振り返った。その顔は余裕に満ちていて、この状況を素直に楽しんでいるようだった。
「ふふっ、ルミナちゃん。顔真っ赤よ」
「……っ」
 私は慌てて視線を逸らす。顔が赤くなるのなんて、当たり前だろうと言い返したかったけど、そんな余裕もなかった。
「エミリ、さん。どこに向かって、るんですか……?」
 そう問いかけた私に対し、エミリさんはにこやかな笑みを浮かべて応えた。
「いいところよ」
 エミリさんにとってのいいところが、果たして私にとってのいいところなのかは微妙だったけど、今の私は彼女について行くしかなかった。

露出への転落2

 どこに向かっているかもわからないまま、私はエミリさんと一緒に歩く。
 人とすれ違う時には、バレてしまうのではないかと冷や汗を流した。
 幸い、私に目を向ける人はいなかった。エミリさんと繋いでいる手に視線がいっていたような気もしたけど、それ以上のことはなかった。
「……ふぅ」
 人とすれ違う度に息を潜め、過ぎ去ったら息を吐く。そんな繰り返しだった。
 そうしているうちに、エミリさんは人通りの多い場所に差し掛かった。
 思わず私は足を止め、エミリさんもそれがわかっていたかのように立ち止まる。
「え、エミリさん……」
 絞り出した声は、自分でも感じるほどに震えていた。
「ルミナちゃん、スカートを押さえない方がいいわ。変に目立っちゃうわよ?」
 その言葉に、慌てて鞄を持つ手を体の横へと持っていく。
「残念だけど、今日は風がないから大丈夫よ」
 風があったら何かの拍子にスカートがめくれ上がっていたかもしれない。
 それがないというだけで、少しは安心できた。
 けれど、それが甘い安堵だったのだと、私はすぐに思い知ることになる。

露出への転落3

 ざわざわと、周囲でざわめく人達の声がする。
 私はとても顔をあげていることが出来ず、俯いて前をいくエミリさんの足ばかり見ていた。それでも時々視界の端に男の人の靴などが入って来て、その度に思わず身体を縮ませてしまう。
「大丈夫よ、ルミナちゃん。普通にしてれば」
 そうエミリさんが声をかけてくるけど、その声をかけてくる行為自体が私にとっては恐ろしかった。
 そもそも、手を繋いで歩いている女性二人は、周囲から見るとどんな風に見えているんだろうか。
 エミリさんも若く見えるとはいえ、さすがに私と同年代には見えない。親子ほど歳が離れているわけでもないし、姉妹というには似ていなさすぎる。
 そんな二人が手を繋いで歩いていたら、どう感じるのだろうか。
 私はドキドキする心臓を抑えつつ、纏まらない思考を繰り返す頭を抱えて、エミリさんの後をついて歩いていた。
 ふと、エミリさんが立ち止まり、私も足を止めた。
 不思議に思って顔を上げると、エミリさんが苦笑を浮かべて私を見ていた。
「ルミナちゃん。そんなに怖がらないで。俯いてばかりじゃ、ほんとの楽しさはわからないわよ」
「……で、でも……」
 とてもじゃないけど、顔はあげられない。
 エミリさんはそんな私のことを暫く見ていたかと思うと、急に私の後ろに回り込んだ。
 私が持っていた鞄を、エミリさんが奪っていく。
「え……?」
「貴重品は入ってる?」
「え……いえ……携帯と定期くらいですけど……」
「じゃあ大丈夫かしらね」
 エミリさんは私の了承を得ないまま、鞄を道の脇にあったコインロッカーに入れてしまった。
「え……」
 私が反応する前に、エミリさんは百円玉を入れて鍵を抜き取り、そしてそれをポケットから取り出した肌色の袋みたいな物に放りこんだ。
 それがコンドームだと私が思い至った時には、エミリさんはその口を結んで閉じ、いきなり自分のスカートをまくり上げてあそこにそれを呑みこんでしまった。
 目の前で見ていた私でさえ、何が起こったのかすぐには理解出来なかった。たまたまその場を通りかかった人が見てたとしても、エミリさんが何をしたのかはわからなかっただろう。
「……っ!?」
 ようやく私の理解が及んだ時、エミリさんは私の後ろに回って両手で私の方を押して来た。
「さ、これで身軽になったでしょ? いきましょ!」
 私はエミリさんに背中を押されて、人気の多い道を歩かされた。

露出への転落4

 さっきまでと違って、今度は私がエミリさんより先に立つ形で歩くと、途端にいままでとは勝手が違った。
 エミリさんという存在が前に立っていてくれただけでも、私は救われていたのだと、思い知らされた。
(……っ!)
 道をゆく人達がよく見える。さっきまではエミリさんにだけ集中していればよかったけど、いまはそうじゃない。
 道行く人達と目線が合う。あってしまう。
 思わず逸らすけど、すぐに歩くために、前を確認するために前を見なければならない。足元だけ見ればいいと思ったけど、それだと前から歩いている人に気付くのが遅れて、危ない。
「ルミナちゃん。ちゃんと前を見て」
 背後からそんな叱咤が飛んでくる。
「は、はい……っ」
 エミリさんが私の肩に手を置いているせいなのか、妙に強く視線を感じた。
 確かに、女性二人が、片方が片方の肩に手を置いて、縦に並んで歩いていたら妙だろう。私でももしそんな人とすれ違ったら妙に思うだろうし、視線も向けるに違いない。
 それは自分でもそうだと思ってしまっていたけど、私は自分に視線を向けないように祈らざるを得なかった。
 相変わらず頼りないスカートの中の感覚に、戸惑いつつ、私はエミリさんに背中を押されて道を歩く。そんな時だった。
 突然、エミリさんが足を止めたのは。
 必然的に肩を掴まれていた私も足を止めることになる。そこは特に周囲に何かあるわけでもなく、むしろ店と店の間の前という微妙な位置だった。
 この道はそんなに狭いわけじゃないから立ち止まっても別に問題はないのだけど、どうして立ち止まったのかということはわからない。
 それどころか、エミリさんは私の肩から両手を離してしまった。
「エミリ、さん……?」
 背後にいるエミリさんの表情が見えず、不安になって後ろを振り返ろうとした時。
 それは起きた。
 一瞬、嫌な予感を覚えた瞬間、建物と建物の間を吹き抜けて来た風が、私の最後の防壁であるところのスカートを大きく捲りあげた。

露出への転落5

 風によってスカートがまくれ上がった時、その時間自体は一瞬だった、と思う。
 けれど、私はその時間が永遠にも等しく感じられた。
 咄嗟に抑えようとした手は、背後から伸びて来たエミリさんの手に掴まれていた。まるでこうなることがわかっていたかのように。きっとエミリさんはこうなることがわかっていたのだと思う。
 あまりにも鮮やかに、私は嵌められたのだ。
 強い風が吹き抜けて行く。それはまるで見えない手に撫であげられていくかのようで、むき出しになったお尻の形まではっきりと自覚してしまえるほどの感覚だった。
 真正面から歩いて来ていた男の人は、一瞬こちらに目を向けて、すぐに目を逸らしたけど、次の瞬間、目を剥いてこちらに目線を向けていた。その一連の流れで、その男の人がスカートがまくれ上がったことに反応し、思わず見かけたのを、気を使って目を逸らしたものの、見えるはずだったものが見えなかった、あるいは見えてはいけないものが見えてしまったことに驚いたのだと、私にはっきり伝えてくる。
 風がやんで、ゆっくりとスカートが降りて行く。私は少しの間、エミリさんに手を掴まれたまま茫然としていた。
 見られた。
 一瞬とは言え、ノーパンでいることを、見られた。
 その事実が頭の中に染み込み、それを理解する。
 周囲のざわめきが、いままでとは意味を違って聞こえてくる。正面から歩いて来ていた人達が、私とすれ違う際に、明らかに視線を向けている。
 私はそれを自覚した時、猛烈な羞恥心が湧きあがって来た。
 目の前が歪み、息が出来ないほどの、凄まじい羞恥心。
 ふらりと足がおぼつかなくなり、もしもエミリさんが支えてくれていなかったらその場で蹲っていたかもしれない。
 エミリさんは私の隣に立って私と腕を組みながら、ほとんどなすがままになっている私を引っ張った。
「ふふっ、大丈夫?」
 元凶でありながら実に勝手なものいいだったけど、それに噛みつく余裕はなかった。
 エミリさんを唯一のよりどころとして、私はエミリさんに導かれるまま、次の場所に向かう。

 まだ、初めての露出は始まったばかりだった。

続く

露出への転落 まとめ

『露出への……』シリーズ第七章『露出への転落』のまとめです。
続きを読むからどうぞ。
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