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黎明媚態

露出系、羞恥系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。

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露出への展望1

 エミリさんに連れられて私は駅前まで来た。
 さすがにここまで歩いて来たら、さっきのビル風によって齎された驚きも少しは和らいで来る。
 そうなると冷静になった頭の一部が、先ほどのエミリさんの行為が、意図したものだったことに気付く。露出する際にああいうところを通っているエミリさんが、まさかあの場所で風が吹くことを知らなかったとは思えない。
 風がなくて残念と言ったその言葉すら、私を安心させる嘘だったんだろう。あっさり騙されてしまったことに若干の苛立ちを覚えないでもない。
 けど、いまエミリさんを追求する事は出来なかった。荷物を入れているロッカーの鍵はエミリさんのあそこに入っている。それを出して貰わないと荷物を取り返すことさえ出来ない。いまはエミリさんが満足するまで付いて行くしかなかった。
「エミリさん……ほんとにどこまでいくんですか?」
 駅に来たとはいえ、さすがに電車に乗って移動するというのはないだろう。それはさすがに固辞するし。
 エミリさんは私の問いかけに対して、軽く微笑んだ。
「とりあえず、少しお茶しましょうか」
 そう言ってエミリさんは駅前のチェーン店に入って行く。
 コーヒーを注文し、それをトレイに載せたエミリさんは、それを私の方に滑らせた。
「持ってくれる?」
「あ、はい」
 曲がりなりにもエミリさんは目上の人だ。私は反射的にそのトレイを受け取った。
 清算を済ませ、エミリさんが席に向かって歩き出す。
 一階でも十分席は空いていた。なのに。
「それじゃあ、二階席にあがりましょうか」
 エミリさんはそう言って階段へと向かう。私はその時点ではまだエミリさんの意図に気付いていなかった。
 駅前など、限られたスペースに作られた店舗ではありがちなことで、そこの階段はかなりの急角度になっていた。
 前をあがっていくエミリさんのスカートの中がかなりきわどい位置まで見えてしまっている。
 一瞬、ドキッとして、そして同時にあることに気付いて違う意味で心臓が縮こまった。
 エミリさんのスカートの中が見えそうな状態になっているということは、同じように私の方もそうなっているということだ。
 その上、いまの私はトレイを手に持っていて、スカートを抑えることも出来ない。
 思わず下で立ち止まってしまう私。エミリさんは見えるか見えないかギリギリの高さで私を振り返った。
「ルミナちゃん、はやく来ないと、後ろの人達が来ちゃうわよ?」
 注文をしている時に、すでに後ろに人は立っていた。その人達が一階席に行くならともかく、二階席にやって来たら、私の背後から昇ってくることになる。
 私はその事態になることを想像して、慌てて階段へと足を踏み出した。

露出への展望2

 階段を一歩あがると、急に忘れかけていた羞恥心が急に噴き出して来た。
 状況的にはそんなに変わっていないはずなのに、まるでいまいきなり下着を脱がされたような、そんな感覚に陥る。
 手が震えて、コーヒーが零れそうになった。そっちにも気を向けなければならないし、階段を上がるだけでもかなり大変だった。
 それでもなんとか階段をあがっていった。足を一歩踏み出す度に、これまで以上にスカートが動き、あそこに対する刺激も強くなる。
「……っ」
 エミリさんが二階の踊り場で待ってくれている。
 私はなんとかその場所まで辿りつこうと、震える体を叱咤して階段を昇って行く。
(あと……もう少し……!)
 そう思ってしまったのがよくなかったのかもしれない。
 足を上げ損ねて、私は蹴躓く。
「きゃっ……!」
 咄嗟に足を踏みこみ直し、身体を支え、私はなんとか階段上で踏みとどまる。
 上半身が大きく前に倒れかけたけど、持っているトレイも並行に保ち、なんとか事なきを得た。
「ルミナちゃん、大丈夫?」
 咄嗟に支えに降りかけていたエミリさんが、私の手からトレイを受け取る。
 私は空いた手で手すりを持って、体勢を持ち直した。
「は、はい……大丈夫です」
「そう。後ろから丸見えだったわよ」
 まるで自然な言葉で綴られた言葉を、一瞬私は理解しかねて、慌てて後ろを振り返った。
 それと同時に一階部分に後の利用者が現れるのが見えて、思わず私はスカートの後ろを手で抑える。
 エミリさんはそんな私の行動を見てか、微かに笑いながら、私を促した。
「ほら、行きましょう」
 危ういところだった。私は二階席に駆けあがりながらそう思う。
 あと数秒あの人が来るのが早かったら、ノーパンであることがはっきり見えてしまっていたはずだ。
 見られていたら、と想像すると、顔が熱くなる。
 エミリさんが狙っていたのは、外に面した窓にあるカウンター席だった。
 そこにコーヒーを置いて、椅子に座る。
「ほら、ルミナちゃんも座って」
 そして、私はこの店を選んだエミリさんの意図をようやく理解した。
 その席は、外に面した大窓を前にしている。その大窓は身体全体が見えてしまうほどの大きなもので、それはつまり外から二階席を見上げた時、下半身も見えてしまうのだ。
 そして、こういう店の椅子にありがちなことに、かなり高く設定されているため、その上に座って足を開けば、スカートの中が明らかに見えてしまうのだ。
 エミリさんはそれをわかって、その席を選び、そして堂々と、スカートの中が見えるように、足を広げて座っていた。

露出への展望3

「え、エミリさん……!」
 私が思わず注意しようとすると、エミリさんは人差し指を立てて自分の唇に当てる。静かに、の合図だと気付いた私は、口を噤んだ。
「大丈夫。残念だけどここのガラスは半分くらいがマジックミラーでね? 丸見えみたいに見えるけど、外からは見えないようになってるのよ」
 具体的には、とエミリさんは手を置いている机を叩く。
「この机より上は外からでも見えるけど、下は見えないの」
「……そう、なんですか」
 私は恐る恐るスカートを抑えながら近づく。
 確かに、エミリさんの格好が外から見えているにしては、たまにこちらを見上げる人達は無反応だ。
 確かに見えてないように思える。
「だから、ね?」
 エミリさんは安心させるように微笑むけど、私にとってそれは安心出来る笑みではなかった。
 素早くスカートを巻き込みながら椅子に座る。幸い、無理矢理足を開くように言っては来なかった。
 暫し、沈黙が流れる。足元の明るさに落ち着かない気持ちになりながらも、私は暫し飲み物を口にして休んだ。
 それがひと段落するのを待っていたタイミングで、エミリさんが口を開く。
「ねえ、ルミナちゃん。いま、どんな気持ち?」
 突然の問いかけに、私はどう応えていいのか悩む。
 エミリさんにもそれは伝わったのか、言葉を変えてきた。
「あの道でスカートがまくれ上がったとき、どんな気分だった?」
 その言葉で、私は思い出す。
「え、エミリさん。酷いじゃないですか」
「急に手を抑えたこと? そうね。驚かせてごめんなさい」
 素直に謝るエミリさんだけど、謝ればいいというものじゃない。
「物凄く恥ずかしかったんですよ」
「それはそうよね」
 あっさりというエミリさんに、私はなんとも言えない気分になった。
「ほんと、やめてくださいああいうの。もし知り合いに見られたら……」
「ああ、それは確かに大事よね。誤解しないで欲しいのだけど、別に私はルミナちゃんの生活を壊したいわけじゃないのよ」
 それはそうだろう。そんな人だったら本気で軽蔑する。
 エミリさんは苦笑いで謝ってくれたけど、私は暫く胡乱げな目つきにならざるを得なかった。
「……ところで、今回の目的地ってどこなんですか?」
 早く終わらせたいという気分でそう問いかける。
 すると、エミリさんはにっこり笑った。
「一つ目の目的地はここよ? ちょっとゆっくり話したかったし」
 エミリさんはそう言って、居住まいを正し、長会話をするつもりのようだった。
 思わず私もそれにならって居住まいを正してしまう。
 そして切りだされた話は、私にとっては予想外のものだった。
「そうね。まずは……ルミナちゃんがどんな露出をしたいのか聞こうかしら」

露出への展望4

 突然の質問に、私はなんと答えたらいいのかわからなかった。
「……どんな露出をって……」
 とりあえず、周囲に人がいないことを確認する。このフロアに全く人がいないわけじゃなかったけど、とりあえず話しを聞かれそうな位置に人はいなかった。
「……いきなりなんなんですか。私は別に、したいわけじゃ……」
「ああ、ごめんなさい。そうだったわね。でも、ちょっと考えてみてもらえないかしら。付き合いだと思って」
 なんとなくエミリさんの思い通りのような気がしたけど、私はとりあえず考えてみる。
 けれど、具体的なイメージがわかなかった。露出行為といえばエミリさんの行為を見たくらいで、あれと同じことは自分には出来ないと思う。
「……難しいです」
「それなら、自分で出来るのはどういう状況かってことを考えてみて?」
「自分が出来る、状況……」
 自分が露出するならどんなシチュエーションがいいだろうか。
 まず知り合いに見られるのはない。絶対にない。見ず知らずの、それも私と決して関わり合わないような人ならばどうだろう。
 それこそ飛行機にでも乗って、遠く離れた土地でなら……まだ。
 けど、そんなところに気軽に行けるわけではないし。
「……」
 自分で言うのもなんだけど、私は生真面目なせいで本来考えなくてもいいところまできちんと考えてしまっていた。
 時間帯はやっぱり夜かな。場所は人気が少ないところ。公園、とか。
 私が考え込んでいる間、エミリさんは楽しそうにコーヒーを口にしていた。美人は何をやっても絵になるからずるい。
「まとまった?」
 エミリさんがそう聞いて来て、私は慌てて応える。
「そう、ですね……例えば……時間帯は夜、です」
 真昼間になんか無理だ。夜の暗闇に紛れてなら、まだ出来るかもしれない。
「うんうん。場所は?」
「場所……人気のない、公園、とか」
 ショーツを脱いだ時の公園みたいに、人がいなければ。
「どういう風にしたい?」
「ど、どういう風に、ですか?」
「ええ。例えば公園を一周するとか、ベンチの上でオナニーするとか、街灯に縛られて放置されるとか」
 とんでもないことをさらりと言わないで欲しい。書くシチュエーションを思わず想像して、私は顔を真っ赤にしてしまう。
 いまのシチュエーションの中で、出来そうなものといえば。
「……こ、公園一周、とか……?」
「なるほどね」
 私の言葉を聞いたエミリさんは、楽しげに笑うのだった。
 その笑顔に嫌な予感を覚えた私は、もう何度そう感じたかわからなくなっていた。

露出への展望5

「そういえば私も、最初の頃に本格的に裸になったのは公園だったわね」
 エミリさんは唐突にそう語った。
「そう、なんですか?」
「ええ。やっぱり露出っ子の登竜門的な場所だと思うわ。街の中で人気のない場所を探していくと、自然とそこが浮かび上がってくるのよね」
 エミリさんは話を続ける。
「あと、ベランダとかもいいらしいわね。比較的安全な場所で、かつ外に繋がっているということが明らかな場所でもあるし」
「……」
「ルミナちゃんはマンション住まい?」
 ドキッ、と心臓が跳ねた。なんとか抑えつつ、私は応える。
「は、はい。一応……」
「ルミナちゃんの部屋に、ベランダはあるの?」
「う…………はい」
 あるのだ。それも、ある程度の高さまではコンクリートの柵がそびえ立っていて、もし露出をするならその影に隠れてしまえばいいような、絶好な形で。
「そう。それは羨ましいわね。私の家は平屋の一軒家だから、ベランダ露出は夢なのよねぇ」
 しみじみとエミリさんは言って、またコーヒーを口にする。
「安全かつ、気軽に露出出来る環境があるっていうのは羨ましいわ」
「……そ、そんなに安全じゃないですよ」
「そう? 見られるような高さのマンションが近くに建ってるとか?」
「……いえ、そういうわけではないですけど」
「家族が勝手に部屋に入って来れるとか? 鍵はないの?」
「それは、ないわけじゃないですけど。鍵はかかります。普段かけたりしないです」
 エミリさんは目を見開いた。そして、いつもより柔らかい笑顔で微笑む。
「ルミナちゃんは、いい子なのね」
 鍵を閉めないというだけでなぜそんなにいい笑顔で褒められなければならないのだろう。私は釈然としない心持ちだったけど、褒められて悪い気はしない。
 エミリさんはさらに話を続ける。
「私は基本、部屋の鍵を締めて過ごしてたから、色々と言われることも多くてね」
「……そう、なんですか?」
「ええ。普段から鍵を閉めておけば、オナニーしている時とかも疑われずに鍵を閉めておけるじゃない?」
 さらっと言ってのけるエミリさんは本当にある意味凄い。
「まあ、私の話はこれくらいにして……ルミナちゃん、そろそろ行きましょうか」
 立ち上がったエミリさんが、トレイを持ってゴミ箱にゴミを捨てに行く。
 私はそのあとを追いかけた。結局、この場所でしたことと言えば話をしただけだ。
 これでいいのだろうかと思いつつ、私はさりげない形で心の中に種を植え付けられたことにこの時点では全く気付けていなかった。

続く

露出への展望 まとめ

『露出への……』シリーズ第八章『露出への展望』のまとめです。
続きを読むからどうぞ。
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