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黎明媚態

露出系、羞恥系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。
月別アーカイブ  [ 2013年10月 ] 

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奪衣術4

 そういえば、奪衣術の師匠にはこの技は邪道だと怒られたものだった。
 脱がせることが主目的のこの技を着せるために使うとは何事か、と。
 確かに、こうやって着せてしまってはもはやそれは奪衣術ではない。
 だけどまあ、ただ脱がすだけなのも不都合だったのだから仕方ないだろう。
 少なくともいまこうしているように、満員電車の中で堂々と女性の身体をまさぐるなんてことはできなかったに違いない。
 全裸に剥かれ、さらには亀甲縛りで縄を身体に這わせられた女性は、自分の状況を正確に把握しているらしく、俺が彼女の身体に手を這わせても声を上げなかった。
 仮にここで俺を糾弾したところで、まず注目されるのは自分の身体である。さらにその身体に、満員電車の中では絶対に出来ないはずの緊縛が施されているとなれば、その緊縛を誰がしたのかなどということは必然的に導きだされる。
 だから彼女は声をあげることが出来ない。半端に賢いというのは不都合なものだ。
 まあ、少なくとも俺が何かしらの理由を握っているということはわかるのだから、とにかく俺を確保してしまえばなんなりと出来る。無論、その際に非常に恥ずかしい思いはするとは思うが、それでも俺の意のままにされるよりかはマシかもしれない。
 それをしないということは単に気付いていないのか、嬲られても恥を掻く方がマシだと判断したのか……それはわからないが、どちらにせよ俺にとっては都合のいいことだ。
 俺は遠慮なく彼女の身体に手を這わせ、その柔らかい身体を堪能する。
 その身体には縄が食い込んでいて、彼女が身動ぎするたびに、その縄は彼女のあそこに食い込んで行く。その刺激だけでも、彼女にとっては未知のもので、戸惑っていることだろう。
 最初はただ声を押し殺しているだけの様子だった彼女だが、辛抱強く刺激を与え続けていると、だんだんと呼吸に熱いものが籠るようになってきた。
 哀しいかな、生物である以上は生理的反応を抑えることなど出来ないのだ。
 この異常な状況でも、あるいは異常な状況だからこそ、彼女は興奮し、それがだんだん快感に繋がっている。
 このまま刺激を続ければ絶頂に導くことも簡単だろう。
 だが、俺はあえて絶頂に導くことはせず、その半歩手前の状態で彼女を弄り続ける。
 そうしていれば、彼女は徐々に焦れてくる。嫌なはずの状態であろうと、とにかく快感が欲しいと思うようになる。そういう状態にすることで、落としやすくするというのはよくある話だが、俺の目的は別にあった。
 時間をかけて刺激を与え続けていた結果、その時間がやって来た。
『まもなく、次の駅に到着します』
 そんな電車内のアナウンスが流れる。その瞬間、興奮しかけていた彼女が硬直するのがわかった。
 次の駅は乗り換えでよく利用される駅だ。
 それはつまり、乗客が大きく入れ替わるということでもある。
 要は、全裸に緊縛状態の彼女を守っている人の壁が、なくなると言うことだった。
[ 2013/10/31 20:00 ] 小説・短編 奪衣術 | TB(0) | CM(0)

奪衣術3

 咄嗟に悲鳴を呑みこんだのは、最善とは言えなかった。
 なぜならその一瞬を逃してしまえば、もはや声などあげられないからだ。
 全裸になっている状態で悲鳴を上げれば、当然周りの人間に気付かれる。いまのところ誰も気付いていないようだが、いずれは気付かれるだろう。
 そうなった時、いきなり全裸になっている女性を見て周りはどう思うだろうか?
 普通に考えて、脱がされたと思うだろうか。こんな満員電車の中で。
 女性が自分で脱いだのだと勘違いする者も多いだろう。
 訳も分からない内に全裸になっていたと勢いに任せて叫べばまだ救いもあったかもしれないが……残念ながら、それは出来なかったようだ。
 まあ、もっとも、いまのままでなら、まだ痴漢に襲われたで済むかもしれない。かなり苦しいが、それでもまだ信じてもらえるだろう。
 そして、俺はまだこれだけで済ませる気はなかった。
 奪衣術を極めた俺には、応用の奥義もあるのだ。
 俺は自分の手に提げていた紙袋を丁度いい位置に持ち上げる。その中には、とても面白い者が入っていた。
 この技はさすがに難しい。元々の奪う衣術とは全く違う方向性を持つ物だと言うこともある。
 それでも、俺は失敗する気など微塵もなかった。
 女性はまだ戸惑っている。派手に動いて周囲の注目を集めるわけにもいかないから難儀なものだ。
 実は彼女から奪った衣服は全て俺が持っているので、どこを見渡そうと彼女の手に戻ることはないのだが。
 それはさておき、呼吸を整え、意識を集中する。この技ばかりはさすがに俺でもかなりの集中が必要だった。
 そして再び一陣の風を吹かせた。
「……!?」
 その女性は驚愕のあまり心臓が止まりそうな表情を浮かべていた。その表情に満足しつつ、俺は紙袋を元の位置に戻す。
 女性が気付いた時には、彼女は身体を縄で縛られた状態になっていた。
 それも亀甲縛り並みの厳重な縛り方。いかに凄腕の痴漢がいたところで、とても満員電車内では出来ない縛り方。
 それはつまり、状況的に「亀甲縛りの上から服を着て、電車内で服を脱いだ変態」、としか判断できない状態に仕上がったわけだ。
[ 2013/10/30 22:46 ] 小説・短編 奪衣術 | TB(0) | CM(0)

奪衣術2


 奪衣術の有効射程はかなり短い。
 具体的に距離を計ったことはないが、警戒心の高い人間なら不自然に思う程度の距離にまで近付く必要がある。
 道端ですれ違い様にそれをする時はそれが不自然でないようにルートを計算する必要がある。
 逆に言えば。
 密着せざるを得ない状況下でならば、俺はこの能力を遠慮なく発揮することが出来るのだ。


 俺はある朝、満員電車に乗っていた。
 ラッシュ時の混雑は非常に苦しく、大変だが、俺にとっては稼ぎ場であり、同時に狩り場でもあった。
 周囲の男女問わず利用客から、こっそり100円と1000円を頂戴する。俺の奪衣術は、こういう応用の仕方も出来るのだ。財布ごと盗むのが一番手っ取り早いが、さすがに大ごとになる。
 その点、100円や1000円なら、記憶違いと考える人間が大多数だし、わざわざ警察に届け出たりはしまい。
 まあ、こんなのはついでだ。真の目的は別にある。
 それは、いま俺の背後にいる女。
 恐らく会社員なのだろう。スーツに身を包んでいて、けだるそうにしている。
 女性専用車両に行けばいいと思うが、タイミングが合わなかったのか何なのか、満員電車に乗り込んでしまったのだと思われる。
 最近は痴漢冤罪事件も多いからか、周りの男性達はその女性に背を向けて、吊革に手を伸ばしている。
 もちろん俺も背中を向けているのだが、こういうシチュエーションになるのを待っていたのだ。
 俺は不自然じゃない程度に身体を斜めにする。俺とその女性は丁度背中合わせに立っていたのだが、これで少し俺が彼女の方を振り返るような状態になった。
 こっそり息を整え、チャンスを窺う。
 電車がカーブに差し掛かり、ぐらりと全体が揺れる。

 その瞬間、俺は動いていた。

 窮屈な車内でどうやったのかは企業秘密だ。
 結果だけ言うと。
「……? ……!?」
 全裸になったその女性会社員は、驚愕のあまり上げそうになった声を必死に押し殺していた。
[ 2013/10/29 20:00 ] 小説・短編 奪衣術 | TB(0) | CM(0)

奪衣術1

 何事も極めるところまで行きつくと、魔法と見間違う技術になる。
 
 俺は町中を歩きながら、ターゲットを求めて道行く人物を見定めていた。
 そんな俺の前から、その彼女にとっては不幸にも、非常に情欲をそそられる人間が歩いてくる。
 学生だろうか。清純そうな制服に身を包み、真面目そうな身だしなみをしている。メールかなにかを打っているのか、スマートフォンに視線を落とし、前を見ている気配はない。余談だがこの手のタイプの人間を見るたびに危なくてハラハラする。いつか事故を起こしかねないことを注意してあげるのが優しさだろうか。とはいえ、いまの世の中下手に声をかけることも出来ない。
 そんな風に考えながら、俺はその子と触れあう寸前の距離ですれ違う。

 その瞬間、俺と彼女の間に一陣の風が吹いた。

 そのまま彼女とすれ違い、数秒。
「……?」
 俺は振り返りはしなかったが、なんとなく彼女が足を止めたのがわかった。
 そして次の瞬間。
「ひゃっ!?」
 彼女が小さな悲鳴をあげた。それに反応したという体で、俺は彼女の方を振り替える。彼女は立ち止まり、内股になって胸の前に腕をかざしていた。
 微かに後ろを向きかけた顔は一瞬で赤くなっている。周りの通行人はそんな彼女を奇妙な顔で眺めている。
 俺はそれに合わせて表情を変えつつ、内心では愉悦に満ちた笑みを浮かべていた。
(そうそう……そういう顔が最高なんだよ)
 恥ずかしくて仕方ないという顔。うっすらと涙が溜まり、頬が赤く染まっている。
 彼女は慌てて周囲を見渡していたが、求めるものがないことを知ると、スカートの裾を気にする素振りを見せつつ、胸の前に鞄を抱えて去っていった。
 その場所から十分離れ、周囲に誰もいないところまで移動する。
 そこで俺はポケットの中に突っ込んでいた手を外に出した。

 掴んでいた、ブラとショーツの二枚の布切れと共に。

 彼女とすれ違う一瞬で、抜き取ったのだ。
 どうやってか、などという無粋なことは聞かないで欲しい。世の中には信じられない秘技を持つ人間がいるとだけ言っておこう。
 俺はこの秘技を使って、女子から服を奪うことを得意としていた。
 
[ 2013/10/28 20:01 ] 小説・短編 奪衣術 | TB(0) | CM(0)

今日はおやすみ

明日からまたブログでぼちぼち書き始めたいと思います。
二日ほど前に書いた通り、短くなっても毎日コツコツ書き続けていくつもりです。

のんびりゆったりやっていきますので、宜しければ応援よろしくお願いします。
[ 2013/10/27 20:00 ] 連絡 | TB(0) | CM(0)

PIXIVの方で作品を公開しました。

と、いっても露出・羞恥ジャンルじゃない、別ジャンルです。
後編は少し羞恥要素も入りそうですが……。
[ 2013/10/26 22:48 ] 連絡 | TB(0) | CM(0)

うっかり更新が途切れてしまいました

なんだかんだで毎日更新を目標にやってきましたが、昨日更新し忘れてしまいました。
まあ、ひとまず半年以上続けたし、いいかな……って思い始めているわけですがw

毎日更新するネタも尽きて来ましたしねぇ。小説を書ければそれが一番てっとりばやくて、かつ最もいい更新になるわけですが、書き続けるって大変なんですよね……。
500文字程度なら楽々更新出来る範疇なので、今後は短くてもそれくらいの分量で更新する感じになるかなー、と思います。

一週間ごとにルーティーンとか、逆にめんどくさいことがわかりましたしw
書きたい時に書きたいものを書くのが一番ですしね。

というわけで、今後は気の向くまま風のむくまま、好きな時に好きなものを、短かろうが長かろうが、とにかく書き続けていくことにします。

あ、もちろん他のサイト様の紹介とか、作品紹介とか、雑談とかも織り込んで行きます。
[ 2013/10/25 09:46 ] 連絡 | TB(0) | CM(0)

訓練した動物に

服を奪わせるというのはどうでしょう?
人為的のことではないと思わせることで、事件性を低くする……。

例えば温泉地で、脱衣所から服を持ってこさせるとか。
脱衣所も外にあるような、露天風呂とかならなおよしですね。守られていた露出場から、服が無くなったことにより、守られていない露出場へと行かなければならない……それはギャップによる露出行為への開眼に繋がるかもしれませんw
[ 2013/10/23 20:00 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

普通の衣装でもっとも露出的にエロいのは?

ビキニ水着、巻きパレオ、白いワンピースなどが上げられるでしょうか。
白いワンピースに関しては、日に透けて身体のラインが出るのがエロいと思います(確信)

ミニスカートもエロいんですが、なんというか、下半身だけなので物足りないんですよね……。
チューブトップと短パンの組み合わせは捨てがたいです。
[ 2013/10/22 20:00 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

全く肌は露出してないけど恥ずかしい衣装

ゼンタイでしょうねぇ……w
全身タイツ、略してゼンタイ。全く肌が見えていないにも関わらず、これほどエロい衣装は他にないでしょう。
ダイビングスーツとかプラグスーツみたいなのは次点でしょうか。

コーティングされる系も結構いいかなーとは思うんですがボディペイントと同じで、衣装っていうかというと、衣装とは言いませんし……。
ゼンタイ物は一度短編で書きましたが、また長編でじっくり書いてみたい題材ではあります。
[ 2013/10/21 20:00 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

露出系も書きたいのですが

今週も別ジャンルを書く予定です。
そろそろ雑談のネタも尽きて来ましたし、早めに小説の執筆に戻りたいところです。
[ 2013/10/20 20:00 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

今日はおやすみ

今日はおやすみです。
まだ別ジャンルの作品が書き上がってないので、来週もそちらを書きます。
[ 2013/10/19 20:00 ] 連絡 | TB(0) | CM(0)

作品紹介:『黒髪巨乳委員長と痴漢裁判』

少し前に話題にした『状況に強制される』というシチュエーションを多く手掛けているサークル様の紹介です。

黒髪巨乳委員長と痴漢裁判
黒髪巨乳委員長と痴漢裁判

まあ、タイトル通りの話なんですけどねw
このサークル様はいつもこの手の『状況に強制される』シチュエーションを多く手掛けておられます。
それがまた非常に魅力的なんですよね……w

特に清楚な感じの子が嵌められたり、騙されたり、状況的に追い詰められて……ってことが多いので、見ててちょっと可哀想ではあるんですが、それがまたいいと言うか。
だからこその羞恥心なんかもよく表現されていると思います。非常に買いの一本ですね。

続きの大きな画像を張って置きます。
[ 2013/10/18 20:00 ] 紹介 作品など | TB(0) | CM(0)

状況に強制されるということ

ちょっとコメント欄で話に出たんですが、人に強制させる露出の他に、状況に強制される露出というものもありだと思います。
タオル一枚で廊下に出てしまい、オートロックに締めだされるとか、軽いのでいくとお風呂上がりとかに来客があって、ノーブラノーパンで対応する、とか。

色々と強制されるシチュエーションというのも、考えてみたいですね。
 
 
[ 2013/10/17 23:12 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

コメントに対する返信方法について

コメントを頂いて、「そういえばコメントに対する返信方法とか考え方とかの取りきめを明文化していなかったな」と気づきました。
ので、『目次』の記事に『コメントに対する返信方法について』の項目を追加しておきました。

以下その文章の転載です。

※コメントに対する返信方法などについて※
・頂いたコメントは、モチベーションの維持・今後の参考にさせていただいています。
・匿名での投稿も可能です。ただ、仮名でもなんでも付けていただくと、その分私の中でお得意様としての親しみが湧きますので、強制はしませんが付けていただけるとありがたいです。
・コメントに対する返信は、同じコメント欄で行っています。
・『管理者だけに表示する』と設定されたコメントに対しては、返信すると結果的に全員にわかってしまうことになりますので、返信しないことにしています。
・もしコメントに対する返信を求められるのであれば、コメントを公開する設定にするか、メールアドレスを設定するか、そのコメントの中で「返信求む」と書くなどしていただきますよう、お願いします。
[ 2013/10/16 11:07 ] 連絡 | TB(0) | CM(6)

昨日話題にあげた

『町中でいきなり襲われて服だけ持ち逃げされるような』系の企画動画は、JADE NETというところで配信されているようです。
当たり前ですが、さすがにやらせでしょうw 本当に襲われているとしたら事件として多少なりとも報道されていないとおかしいわけですし、女性たちの抵抗が明らかに本気じゃないですし。

まあ、そんなこと言ってたら企画物のAVなんて見れませんけどねw 無粋な話かもしれません。
ただ、折角こういう企画をするのであれば、もっときちんと演技指導をですね……(以下略)

強奪系で話を書いてみたい気もします。
無論、最終的に服を奪われた女性はそのせいで開眼しちゃったりするのが理想ですw
[ 2013/10/15 20:00 ] 未分類 | TB(0) | CM(2)

基本的に私は

私は自分から露出する子ばっかりを書いています。まあ、一部例外はありますけどねw
やっぱりその方がドキドキ感がいいですし、強制されているものだと調教物の要素が強くなっちゃう気がしていまして……。

まあ、拘りの一種ではありますが、そろそろ強制されるパターンもちょっと書いてみたいかなー、と思います。
七つ道具シリーズでは中盤そんな感じでしたが、もっと絶望的な感じの話を書ければな、と思います。

企画物のAVであったんですが町中でいきなり襲われて服だけ持ち逃げされるような……ねw
[ 2013/10/14 22:00 ] 未分類 | TB(0) | CM(2)

今日はおやすみ

作品の構想を練っています。
今週は別ジャンルの作品を書く予定です。
[ 2013/10/13 20:00 ] 連絡 | TB(0) | CM(0)

PIXIVの方で作品を公開しました。

ピクシブの方に露出への……シリーズ『露出への一歩』を公開しておきました。
なお、多少加筆修正はしていますが、大した変更はありません。
[ 2013/10/12 20:00 ] 連絡 | TB(0) | CM(0)

露出への一歩5

 エミリさんはコーヒーを飲み干すと、コートの前を開いたまま立ち上がった。
 その際、当然エミリさんの身体が全部見えてしまい、思わず私は赤くなった顔を背ける。
 エミリさんは堂々としているけど、それが余計に恥ずかしかった。
「それじゃあ、行きましょうか」
 伝票をさっと取りながらエミリさんがほほ笑む。私が頷き、立ち上がろうとした時、エミリさんはとんでもない行動に出た。
 いきなり自分の股間に、割れ目に指を這わせ始めたのだ。思わず私が硬直するまで、エミリさんは自分の中にその指を潜り込ませ、まるで自慰でもしているかのように陶然とした表情を浮かべる。
「ふぅ……んっ、ぅ……」
 ぴくぴくとエミリさんの方が震え、甘い吐息を滲ませる。私には何が起きているのかわからなかった。思考停止した状態で、エミリさんの突然の痴態を見詰めることしかできない。
 幸い店員さんはまだこちらの様子に気付いていないみたいだったけど、それも時間の問題だ。明らかに不自然なエミリさんの動きに気付かれたら終わりだというのに、エミリさん自身はまるで気にすることなく、オナニーを続ける。
 ようやく自体に頭が追い付いてきた時、エミリさんの指先に何かが引っかかって、引きだされつつあることに気付く。エミリさんは身体の中にその『何か』を、ずっと入れていたのだと私は察した。
 それはゴムで出来た袋のようで、ちょっとした棒くらいの長さがある。唖然としている私の前で、エミリさんはそれを手の平に取りだした。ねばねばした液体で濡れているそれは、なんだか奇妙に光っていて、圧倒されてしまう。
「……ふぅ。ここのお会計は私が出すわね」
 いいつつ、エミリさんはその袋を開き、中から棒状に丸めた紙幣を引きだした。お金をそこに入れていたのだと、ようやく私は理解することが出来た。
 エミリさんはオナニーの影響か少し上気した顔で、私にその不思議な袋を見せてくれる。
「ルミナちゃん、見たことない? コンドームなんだけど……」
「……な、ないです」
 正直な話、私はまだ処女であり、男の人とそれが必要になる行為をしたことがない。
 一応、性教育の授業でそれの存在くらいは知っていたし、サンプルとして見せられはしたけど、それを実際に使っているのを直で見たのは今日が初めてだった。
 エミリさんの使い方を、ちゃんと使っているとしていいのかどうかはわからないけど。
「これはいわゆる露出ッ子の嗜みの一つ……『おまんこ財布』なの。露出ッ子は何も着ないし、何も持たないのが普通だけど、お金が必要になる時はあるのね。だから、こうやって持ち運ぶことで、何も身につける必要もなく、それなりの額を持ち歩けるってわけ」
「は、はぁ……」
 どうしてそこまでして露出に拘るのか。正直私にはわからなかった。
 エミリさんはコートの前ボタンを止め、その紙幣を持って会計に向かう。
 私も慌ててそれを追いかけた。
 会計を済ませたエミリさんは、「ちょっと歩くわね」と言って私をどこかに向けて案内し始める。

 どこに向かうのかもわからないまま、私はエミリさんの後について歩き始めた。
 
 
~続く~
 
 

露出への一歩4

 コーヒーを飲みながら、エミリさんは先ほどの話を再開した。
「私は私みたいに『自分から露出する女性』のことを露出ッ子って呼ぶことにしているの。露出狂よりも五感が可愛いでしょ?」
「は、はあ……そう、ですね」
 あくまで五感だけの話で言えばそうと言えなくもなかったのでとりあえず頷く。エミリさんは我が意を得たりという感じで満足そうだった。
「でしょう? まあ、やってることは変わらないから、一般人にそれを区別して欲しいっていうのは、我がままなんでしょうけどね……」
 それはさておき、とエミリさんは続ける。
「ルミナちゃんに聞いておきたいのだけど、どこからが露出になると思う?」
「どこから……ですか?」
「ええ。例えば、お風呂に入る時は誰だって裸になるわよね?」
 当たり前のことを聞く理由がわからなかったけど、とりあえずその通りではあったので頷く。
「お風呂で裸になるのは普通……じゃあ、脱衣所で裸になるのは?」
「……普通、じゃないですか?」
「じゃあ、自分の部屋で裸になるのはどうかしら」
「……場合によっては……ない、ことはないかも?」
 下着まで脱ぐことはまずないだろうけど。
「じゃあ、リビングで裸になるのは?」
「それは……ないと思います」
「もしリビングで裸になったとして……それは露出行為だと思う?」
 私は思わず自分の家で、自分が裸になっている光景を思い浮かべる。恥ずかしいとは思うけど、他に誰もいないという条件であれば、露出行為とはいえない気がする。
「……言えない、と思います」
「じゃあねえ……リビングから一歩出て、ベランダで裸になるのはどう思う?」
 外に面した場所であるベランダ。そこを覗き込まれることはほとんどないだろうけど、確かに外から見える場所。
 私はそこに裸で立つことを想像して、一気に顔を赤くした。
「ろ、露出行為だと思います……」
「家の敷地内なのに?」
「……はい。やっぱり、外だし」
 なんでこんなやり取りをしているんだろう。私は訳がわからなくなってきた。
 エミリさんはさらに質問を重ねてくる。
「じゃあ、一戸建ての家を想像してみて。その家は周りに高い壁があって、外から絶対見えないっていう条件ね」
「……? はい」
「その庭で裸になるのは、露出行為かしら? 恥ずかしいと感じると思う?」
 言われた条件で考えてみる。高い壁に覆われた庭で、裸になって立つ自分。野外で裸になって立つということ自体、経験のないことだから想像しにくかったけど、想像してみた。
 絶対に見られないというのを、真実として考えると……意外なほど、それについて恥ずかしくは思わなかった。
「……あまり、感じないかも、です」
 その答えを聞いたエミリさんが、妙に笑みを深くした理由は……私はずっと後になるまでわからなかった。

露出への一歩3

「えっ、ちょ、ちょっと? なにしてるん、ですか……?」
 思わずそう聞かずにはいられなかった私に対し、エミリさんはあくまで笑顔だ。
「うん? まあ、さすがにちょっと暑いから、前だけでも開けようかなって思って」
 さっきと言っていることが……いや、矛盾はしないのか。
 前を開ける程度であれば、店員さんが通りがかりでもしない限りはバレない。
 私達が座っている席は奥まっている場所にあるところだし、そうそう人も通りかからないだろう。
 そこまで見越して席を選んでいたと知って、私は感心するやらあきれるやらだった。
 エミリさんがコートの前ボタンを全て開き、左右にコートの裾を払う。すると、エミリさんの綺麗な身体が露わになった。
 極普通の、一般的なカフェの中で、エミリさんの存在だけが異常に浮いている。
 私は思わず目を伏せたけど、エミリさんはむしろ胸を張るようにして堂々としていた。
「そういえば……改めて聞くけど、私の身体はどう?」
「ど、どう、とは……?」
 問い返すと、エミリさんは口の端を吊り上げて笑う。
「綺麗? それとも……いやらしい? 感想を聞かせてくれないかしら」
 私は言葉に詰まる。なんと答えることが正解なのか、わらかなかった。
 綺麗というのはもちろん感じていたことだ。エミリさんの身体は同性から見ても、バランスのとれた素晴らしい肢体で、十人に聞けば十人ともが「綺麗だ」と答えるだろう。
 それは私も変わらない。変わらないのだけど……同時に私は、いま彼女が言ったように、「いやらしさ」も感じていた。
 決して下品な意味じゃない。無意味に露出の高い服を着るような客引きの女性に感じるいやらしさとはまた違う、純粋に、ただ情欲を刺激してくるような。
 そんな不思議な「いやらしさ」を、エミリさんの身体からは感じる。
 どうしてなのか、それが正しい認識なのか、正直私にはわからない。
 エミリさんがどういう答えを期待しているのかも、わからなかった。
 言葉に迷っていると、エミリさんが優しく促してくる。
「感じるままに、好きなように表現してくれていいのよ。ルミナちゃんがどう感じてくれているのか……それが私は知りたいのだから」
 その言葉を聞いて、私は覚悟を決めた。思う通りのことを口にするのだ。
「えっ、と……その、綺麗、だと思います。それから……」
「それから?」
「その……ちょっと……というか、かなり……いやらしい、って言うんでしょうか」
 やばい。顔が熱い。
 ただ感想を言うだけなのに、凄く恥ずかしい。
 そんな私に対して、エミリさんはどこか満足そうな笑顔で、身体を露わにしながら、コーヒーを飲むのだった。

露出への一歩2

 店員さんに言われるままコートを差し出せば、エミリさんは全裸になってしまう。
 果たしてエミリさんはどう応じるのか……あるいは、自分の露出するところを見ていて欲しいというのは、こういうことだったんだろうか。
 裸のエミリさんと向きあってコーヒーを飲んでいる光景を思い浮かべて、私は激しい動悸を感じた。顔に血が昇っていくのがわかる。
 そして、エミリさんは。
「ああ、大丈夫です。ありがとう。寒がりなのよ」
 実に自然な態度で店員さんの申し出を断った。
 店員さんは少し不思議に思ったようだったけど、断れた以上それ以上無理に申し出ることは出来ない。軽く頭を下げて去ってしまった。
 店員さんがいなくなったあと、エミリさんは私の方を見て、くすりと妖艶に笑った。
「ルミナちゃん、顔真っ赤」
「……っ! こ、これは、その……!」
 慌てて誤魔化そうとしたけど、顔の熱はそう簡単には引いてくれない。そんな私をエミリさんは面白いものを見る目で見ていた。
「別に恥ずかしがらなくてもいいのに。裸になるとしたら私なんだし……」
「み、みてるだけで恥ずかしいんですっ」
 声を殺しながらそう抗議する。エミリさんはそんな私の抗議もどこ吹く風だ。
「うふふ。まあ、さすがに私もここで裸になるつもりはないわ。ここのコーヒーは掛け値なしに気に入っているしね。今後来れなくなっちゃう」
「で、ですよね」
 早とちりににも程があったようだ。私はなんとなく顔を上げていられず、俯いた。
「それに、ルミナちゃんにも迷惑がかかっちゃうでしょ?」
 エミリさんの言葉を聞いて、私は思わず顔を上げた。
 彼女は大人らしい、優しい笑みで私を見詰めている。その、表現するなら慈しみの笑みに、私の心臓は別の意味で鼓動を高めた。
「露出狂と一緒にいた……なんて言われると困るだろうし、ひょっとしたらルミナちゃんのお知り合いがいるかもしれないしね。そんな危険は犯さないわ」
 私はそんなエミリさんの言葉を聞いて、ちゃんと考えてくれていることに、失礼ながら感動した。
 露出狂っていう人達は人の迷惑も顧みず、ただ裸になったりするだけの人のように思っていた、というのがあって。
 そういう人達だって、普段は普通の人なのだから、そういう気遣いが出来て当然なのに。
 私は偏見を持っていたのだと気付かされて違う意味で恥ずかしかった。
 エミリさんと一緒に飲んだコーヒーは美味しかったけど、どこか苦みがあって、なんとなく大人の味がした。
 コーヒーを飲んで一息ついたところで、エミリさんはにっこり私に笑い掛ける。
 思わず私も笑みを返して、その笑顔は凍りついた。

 エミリさんが、コートのボタンに手をかけて、外し始めたからだ。

露出への一歩1

 水沼エミリさんという露出虚のお姉さんに「一緒に露出しない?」と誘われてしまいました。

 エミリさん曰く、私はエミリさんと同じだと……同じ、露出狂の素養を備えているということらしい。
 もちろんそう言われて「そうですね」と言えるほど私は変態じゃない。そうだと思い至るようなこともそれまで一切なかったんだから、当たり前だと思う。
 けれど、そう考えて逃げようとした私を、エミリさんは引きとめて、「一回だけ自分の露出を見てくれるだけでいい」と言ってきた。
 今後しつこく付きまとわれても厄介だし、見るだけでいいなら、と私はそれを了承した。
 そんな私は、いま。
「露出狂って呼ばれ方あんまり好きじゃないのよね。だって、この言い方だと男性も含むでしょう? 個人的には男性の露出行為と女性の露出行為は一緒にして欲しくないの」
 なぜかエミリさんの露出に対する拘りを聞いていた。
 まあ、話をする際に頼んでいたコーヒーが来ていなかったっていうのもあったし。けれどなんだか嵌められた気分だった。彼女の露出行為を見て、別れておわりかと思えば……話をされている。
「……はぁ」
 私としてはそう答えるしかないのだけど、エミリさんは気にせず話を続ける。
「まあ、同族嫌悪なのかもしれないけど、男性の露出って『見せ付けるもの』じゃない? それに対して、女性の露出は『見てもらうもの』だと思うのよ」
 力説するエミリさん。言わんとしていることはなんとなくわからなくはないかもしれない。
 なんとも言えない表情を浮かべていたところに、店員さんがやってきてカップを置く。さすがに店員の前ではその話も控えてくれた。
「ここのコーヒーはとても美味しいのよ」
「あ、そうなんですか」
 こうしていると、普通の人なんだけどなぁ……。
 私がなんとなく残念な気持ちでいると、二人分のコーヒーを置いた店員さんが頭をさげる。
「それではごゆっくり。……あ、御客様」
 去るのかと思ったら、店員さんはエミリさんの方を見て止まった。
 不自然だと思ったのだろうか? 思わずこっちがドキドキしてしまう。
「よろしければ、コートをお預かりしますが……」
 ドキドキのレベルじゃなく、心臓が跳ねあがった。
 確かにエミリさんは外から見ると喫茶店の中でコートを着ていることになり、不自然だ。普通、室内に入ったらコートを脱ぐなりなんなりするだろう。
 私はそのことに気付く余裕がなかったけど、考えてみれば変な話だ。
 だから店員さんの気遣いは妥当だった。妥当、なのだけど。
 私は知っている。

 エミリさんがその下に何も着ていないことを。

PIXIVの方で作品を公開しました。

ピクシブの方に露出七つ道具シリーズ『水溶物』を公開しておきました。
なお、多少加筆修正はしていますが、大した変更はありません。
[ 2013/10/06 22:06 ] 連絡 | TB(0) | CM(0)

露出七つ道具『水溶物』6

 こういうところを、こういう目的で利用している人は世の中に何人いるんだろうか。
 いちゃつく程度なら見かけないでもないが、それ以上の、キスをしたり、ましてやセックスしたりするような人は見たことがない。 
 けれど現実として、私は彼とこんなところで結ばれていた。
「ん……っ」
 ボディペイントだけの姿で、男の上に跨り、その股間からそそり立つものを、身体の中に受け入れる。
 そんな行為は初めてのことで、恥ずかしさと気持ち良さで頭がどうにかなりそうだった。
「ふふっ……いい顔ですね、かすみさん」
「う、るさい……っ」
 真正面から私の顔を覗きこんでくる男は、どこまでも楽しそうだった。
 この体勢も私が目を逸らせないようにするための体勢だと知る。
「さ、頑張って動いてみてください。あまり時間はありませんよ」
 一周するのにどれくらいの時間がかかるのかは見ていなかったけど、確かにそんなに時間はなさそうだ。
 私はなるべく激しい動きにならなように注意しながら、腰を動かし、男のものに刺激を与え続けた。

 そして、徐々にお互いの快感を高めて行って、丁度籠が頂点に達すると同時に絶頂を迎える。

 出来過ぎなくらいなタイミングだったけど、だからこそ、その時の記憶はいつまでも私の中に残った。
 彼にもたれかかって、暫し動きを止める。男は元彼の時とは全く違って、優しく頭を撫でてくれた。
「良く出来ました。気持ち良かったですよ」
「はぁっ、はぁっ……ん……」
 荒い呼吸をしながら、私は彼と唇を合わせる。
 余韻を十分味わってから、彼は下を見る。
「……ふむ。どうやら係員の彼は人を呼んだりしてないみたいですね」
「呼ばれてたらさすがに困るわよ……」
「これならやれそうですね」
 何を、と聞くまでもなかった。彼は持ってきてた荷物の中から、濡れタオルを取りだしたのだから。


 観覧車の籠が一番下に到着し、扉が開く。
 扉を外から開けてくれた係員の表情が引き攣っている。
「お、お疲れ様でしたー……」
 顔を赤くしているところをみると、免疫がないらしい。
 男は悠々と降りつつ、私の手を取って引いてくれる。

 全てのボディペイントを落とし、本当の全裸になった私。

 搭乗口側で待っていた人達が驚くのがわかる。幸い子供連れはいなかったようだ。さすがに子供がいたら罪悪感が半端なかっただろうから運がいい。
 そんな余計なことを頭の片隅で考えつつ、私はドキドキする心臓を胸に、男に手を引かれて歩く。片手は男に封じられてるし、もう片方の手も隠してはダメだと言われているので、必死に普段通りの状態を保とうとする。
「ほら、行きますよ。胸を張って」
 胸を張ったら当然乳房を強調することになってしまうのだけど……それでこそ、注目が集められるような気がして、私は精一杯胸を張る。

 これからも、私はこうして生きて行くんだろう。
 コートから始まった露出行為。様々な道具を使って、私はまだまだ露出していくつもりだった。




~露出七つ道具 『水溶物』 終わり~

~露出七つ道具シリーズ 終了~
 
 
 
 

露出七つ道具『水溶物』5

 立体駐車場を使って、屋上近くまであがってくることは出来る。そこからは車を降りていかなければならなかった。
 普段こういう場合は適当なコートやワンピースを一枚羽織るとかするのだけど、男は何も羽織らないように言って先に車を降りた。
「いまの時間帯なら暗いですし、子供もいないでしょうから急ぎましょうか。元々人気のない施設で人も少ないはずですし」
「……ほ、本当に行くの……?」
 いくらボディペイントをしているとはいえ、はっきりいって観覧車に乗れる気がしない。いくら暗い屋上にあるとは言っても、多少なりとも照明はある。
 受け付けの人間に怪しまれて一発でアウトだ。
 そう思っている私の手を無理矢理引いて、男は歩きだす。
「大丈夫です。もしも大変なことになりそうになったら、逃げましょう」
「観覧車じゃ、逃げる場所なくない?」
「乗れるとこまでいけたらもう大丈夫ですよ」
 本当に大丈夫なのだろうか……不安が広がる。
 けれど、もしも本当に出来たなら。
 透明な観覧車の籠の中、私と男は初めて繋がることになる。
 確かにそれは私達にとって相応しい『初めて』のように感じた。
 なるべく騒ぎにならないよう、彼の影に隠れて進む。遠目ではわからないのか、あまり注目を浴びているようには感じない。
 屋上に昇ると、そこはさすがに無人とはいかなかった。場所柄もあるのだろうけど、カップルが多く、中には結構派手な格好をしている女性もいて、少しはその中に紛れているのではないかと思う。
 けれど、いつ気付かれるかもわからない状況で、私のk道は際限なく高まっていた。
 カップルは基本的にお互いしか見ていないから、私達は大きな騒ぎになることなく、観覧車の受付に近付くことが出来た。
「いらっしゃいませ!」
「大人二人ね」
 男が私の肩を抱きながら、係員の人にいう。その係員の女性は一瞬私の身体を見て何か妙に目を細めたが、受付のおかげで上半身しか見えいないこともあり、気付かなかったようだ。
 チケットを受け取り、お金を支払い、私と彼は搭乗口へと向かう。丁度待っていた最後の人が乗り込んでいったところだった。待っている人がいなくなり、私は安心したような残念なような、複雑な気持ちだった。
 ただ、観覧車の搭乗口に必ずいる係員が、私達の方を見て挨拶してくる。
「ご利用ありが……」
 不自然なところで挨拶が途切れたことで、私はバレてしまったことを悟る。思わず男にしがみつくようにして身体を寄せた。
「ああ、気にしないでください。こういう趣味なんで」
 あっさりと男が言って、男性の係員は明らかに動揺しつつも、頷いた。
「は、はあ……」
 次の空き籠が来て、私達は係員が開けてくれた扉を潜り、乗り込んだ。
 外から鍵を締める男の人が、私のことをじっと見ていたのは気のせいではないだろう。
 こうして私達は無事観覧車に乗り込むことが出来た。私は深く息を吐く。
「気付かれちゃったじゃない……」
「まあ、いいじゃないですか、無事乗り込めたんですから。……それにしても、実に素晴らしい観覧車ですよね。もっと流行ってもいいと思うんですが……」
 確かに全方位ガラス張りというのは、実にスリルがある。
「さて……と。無駄話はおいておいて、かすみさん。こちらに来てください」
 そう言って男は自分の膝を叩く。
「膝の上に座りなさい……ってこと?」
「ええ。もちろん背を向けるのではなく、向かう合う形でどうぞ」
 そういって、男はズボンのジッパーを引き下げながら言う。

 その隙間から、それが。男のペニスが。顔を出す。

露出七つ道具『水溶物』4

 運転席に座る男は、気楽な様子で口を開いた。
「ところで、かすみさん」
 それが自分の呼び名だと気付くのに一拍の間を必要とした。サイトで露出報告をする便宜上、付けてもらった名前だけど、なんともむずがゆい気もする。
「なに?」
「ボディペイントで露出をする一番の利点ってなんだと思います?」
 いきなり何の話をし始めるのだろう。そう思ったけど、とりあえず私は言われた内容を考えてみる。
「うーん……一瞬そうとは気づかれないけど、よくよく見ると恥ずかしい格好だって気付かれるところ?」
「そうですね。大体それで正解です。素裸ではすぐに問題視されてしまいますが、ボディペイントであればそうなるまでに少しは時間を稼ぐことが出来る……それが最大の利点です」
 さっきのようにね、と男は笑った。私は紅くなる顔を自覚しつつ、何も答えられなかった。
 現在、私達は高速道路を使って移動中だ。遠くまで行くということはまた相当な人に見られてしまう類の露出をするのだろう。そういう意味で期待をせざるを得ない。
 それは置いておいて、高速道路に乗る際、男はあえてETCレーンではなく、普通の有人レーンを通っていた。対応するのは運転席側の彼だけど、私は気が気でなかった。
 なぜなら、いまの私は腰にタオルを巻いて誤魔化しているだけの、全裸だったからだ。ただし、ボディペイントで多少の誤魔化しはしている。緑色のTシャツを着ていたように、見えていたはずだ。ただ、もちろん素肌に直接書いているわけだからよくよく見れば変だったことに気付かれていただろう。
 小銭の受け渡しをする短い時間だったから気付かれてない……と信じたい。
「ちなみにさっきの人は気付いていないみたいでしたね。一瞬訝しげな顔をしてはいましたが、すぐ動いてしまいましたし」
 さて、ここで問題です、と男は続ける。
「その事実は何を示しているでしょうか?」
 なんだか回りくどい訊き方をする彼。私は質問の意図がよくわからなかった。
「……すぐには気付かれない、ってことよね?」
 さっきそういう話をしていたばかりなのに、なぜ繰り返すのかが疑問だった。
 彼は含み笑いを浮かべる。
「いえ、それはそうなんですけどね。大事なのは、本来なら引っかかってそれ以上進めないような場所にも、進めるってことですよ」
 はっとした。
 つまり、それは例えば人が多かったり、入口に警備員が立っていたりする場所にも、入れるということだ。
 そして、そのための最高の舞台を、彼は用意してくれていた。
 とある場所の駐車場で、車が止まった。
「じゃあ行きましょうか」
 男が選んだ、私と彼が結ばれるに当たっての最高の舞台。
 目の前には、とある商業施設。
 その屋上に設置された観覧車は今日もゆっくり回っていた。ここの観覧車の特徴的なところは、唯一つ。

 全方位がガラス張りで出来ている、透明な籠が使われているということだった。

露出七つ道具『水溶物』3

 呼び名か、と私は考える。
「……本名を連想させそうなのはやめといた方がいいわよね……何かない?」
「そうですねぇ……かすみ、とかどうでしょう? いまなんとなく浮かんだ名前ですが」
「じゃあそれで」
 私の即答っぷりに、男が驚くのが伝わって来る。
「いいんですか?」
「サイトに使う名前なんて、別になんでもいいじゃない。偽名なんて。色々考える方が面倒くさいわよ」
 別にアイドルになろうってわけじゃないんだから、適当な名前で構わない。
 そんなことに心を裂くくらいなら、露出の方に心を裂きたいというのが本音だった。

 家に帰ると、私はくたくたになった身体をベッドに投げ出す。当然何も身につけていないから、柔らかな布団の感触が全身で感じられて気持ち良かった。
「先にお風呂入って来た方がいいですよ。布団が汚れてしまいます」
「んー……」
 平然と部屋に入って来て、パソコンを立ち上げる。早速今日の分の写真や映像をサイトにアップするつもりなのだろう。
 私はベッドから這い出し、パソコンに向かう男の背後からその首に抱きついた。
「うわっ、ど、どうしたんですか?」
 さすがにちょっと動揺しているっぽい彼に、思わず笑みが零れる。
「んー? そういえば、あなたって私とセックスしたくないのかなーって思って」
 いまさらながら気になったのだ。考えてみれば、いつだってこの男は私を露出させるばかりで、私を襲おうとしたことはなかった。
 当初こそ、それを不幸中の幸いだと思っていたけど、事ここに至っては不満に感じてしまう。
 私はそこまで魅力がなかったかと、思ってしまうのだ。
「……色々ふっきれすぎですよ」
「ふっきれさせたのはあなたじゃない」
 だから責任取ってよ、と。
 私は囁いて男の背に身体をすりよせた。男が思わず硬直するのがわかる。
「……わかりました。けど、今日はしません」
 あっさりと拒否され、何故か少し傷ついた。それを感じとったのか、男が少し早口で続ける。
「こんなところで初めて結ばれるのは勿体ないですから。あなたに相応しい舞台で、犯してあげます」
 くるりと後ろを向いた男が、丁度いい位置にあった私の唇にその唇を合わせる。
 不意打ちだったため、思わず目を見開いてしまった。男は優しく笑って、再び前を向く。
「風邪ひきますよ。お風呂に入ってきてください」
「あ……うん……」
 そう答えるのが精一杯だった。私は逃げるようにその場から去り、脱衣所の鏡で真っ赤になっている自分の顔を直接見て、さらに赤面するのだった。

露出七つ道具『水溶物』2

 ワンボックスカーの中に乗り込み、後部のスペースで身体を拭く。このワンボックスカーは私のお金で購入したもので、露出をしたあと色々と後始末がしやすいように様々な工夫を施している。
 運転席に乗り込んだ男が車を動かしながら、声をかけてくる。
「……今日もいい絵が取れましたよ。協力的になってくれてずいぶん楽になりましたしね」
「うるさいわね。別に協力している気なんてないわよ」
 身体を覆っていたはずの塗料はもうほとんど無くなっていたけど、濡れタオルできちんと全部拭きとって行く。これをする前に髪の毛やまゆ毛以外の脱毛していたから、毛にこびり付くということもない。
 脇の下だけでなく、あそこの毛も全てなくしてしまった身体はなんだかより一層裸になった、感があって正直結構気に入っている。
 もちろん男に対してそんなkとは言わない。あくまで私は言うことを聞かされている体でいた。

 以前、コンドームを使った露出をしてから、私は色んな意味で吹っ切れてしまった。
 自分の露出壁は元彼に植えつけられたものだと否定し続けていたけど、ルーツに拘ることは無意味だと悟った。例え植えつけられたものであろうと、元々あったものであろうと、いまの私が露出を楽しんでいて、裸で出歩くことが気持ちよくなってしまっていることは事実なのだ。なら、もう、私は『そういうものだ』と諦めるしかない。
 そう考えれば一気に楽になった。男に脅されているという事実ですら、露出が出来るいい口実だと思うことにした。もし仮にこの男が私を裏切って私の人生を破滅させたところで、私は元から壊れているようなものだ。身売りでもなんでもして生きていけばいい。
 恥ずかしい思いをして、裸を晒して、生きていければそれでいい。
 半ばやけくそになっていたのかもしれない。あるいはもう、実は壊れてしまっていたのかもしれない。それはわからないけど。
 そう思うことでとても楽になった。

「そういえば、掲示板の皆さんから、何か呼び名が欲しいって書き込みがあって議論が紛糾してるっぽいんですが、どうしましょうか?」
 運転席からそんな言葉が飛んできて、私は首を傾げた。
「……いまさら?」
「まあ、いまさら感はありますよねぇ。でも、あの人達もまさかこんなに長く露出し続けてくれるとは思っていなかったのではないでしょうか?」
 インターネットの世界ではちょっと出てきた人間が何の音沙汰もなくすぐ消えることはままあることだ。それもアダルト系ならなおのこと。そんな中の一人だと考えられていたから、いままでは特に呼び名がなくても問題視されていなかった。
「……そっか……もうそんなに長いこと露出してるんだっけ」
「密度の高さというのもあるとは思いますけどね。所詮まだ二カ月くらいですから」
 二か月。
 男に見られて、脅されて、二か月。
 もう季節はすっかり夏になって、露出する側としてはいい季節だ。今日みたいに思いっきり雨に降られてもそんなに寒くないし。
 すっかり露出を基準に物事を考えるようになっていることを自覚して、私は苦笑を浮かべざるを得なかった。
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