ナナミは外から神社を一周して中の様子を確認する。
(……よし、誰もいないみたい)
彼女が狙っていた通り、神社の中には誰もいなかった。ここは小さな神社で、そもそも認識されていないということも大きいが、それより大きいのはほど近くにもっと大きな有名神社があることだろう。初詣という大事な時は、同じくらいの距離なら有名な方に向かうのは道理だ。
(……ここには神主さんもいないし……こんな神社が近くにあってよかった)
もしこんな神社が近くになければ、遠方まで車で行かなければならなかったところだ。
それはそれでより安全なところだったかもしれないため、一長一短ではあるだろうが。
ナナミはしばらく不自然じゃない程度にそのあたりをうろついて、人が全く来ないことを確認する。すでに時間は三時くらいになっている。このくらいの時間帯がもっとも安全であると、ナナミは直感していた。
(日が変わってすぐにいく人は多いだろうし、朝になっちゃえばそれもまた多い……この時間が最適……なはず!)
いつまでもその場で足踏みをしているわけにはいかない。
ナナミは意を決して、露出っ子倶楽部の初詣を始めることにした。