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黎明媚態

露出系、羞恥系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。

バスタオル一枚で異世界転移 第一章 その6

 緊張して先の見えない道を進んだり、ゴブリンから逃げて走り回ったり、穴から何十メートルも下に落ちたり。
 いい加減お腹も空いてきていました。
 早めにどうにかしないと動けなくなって、餓死してしまいます。
 出来れば早めに人里に出たいのです。
 こんな格好でも、飢えて死ぬよりはマシなはずです。

「とはいえ……どうすれば……」

 ちらりと魔王(仮)さんの方を見ました。めっちゃこっち見てます。
 その目は酷く苛立っているようでもあり、目を合わせにくくて仕方ありません。
 ふと、その目線が初めて私からずれました。私の背後を見ています。
 その方向になにかあるのでしょうか?
 振り返った私が見たものは、ただの水だと思っていたものが隆起しているところでした。 思わずぽかんと見上げてしまいます。
 わずかに発光している時点で、本当にただの水とは思っていませんでしたが……。
 まさか、それそのものが動き出すなんて予想外すぎます。
 それはそれ自体が巨人のような形を作ったかと思うと。

 その拳と思われる部分を、私目掛けて振り下ろしてきました。

 私の少ない人生経験でいうならそれは、海水浴で波に呑まれた時のような衝撃でした。
 立っていられずに水の勢いにもみくちゃにされ、上下もわからなくなるような。
 咄嗟に目をつぶったのでそれは余計に顕著でした。
 とにかく水面に上がろうと手足をばたつかせますが、水の勢いの前にはどうにもなりません。
 私は激流に流される木の葉のごとく、翻弄されていました。

「――フン、無様なものよ。だが、余を解放に至ったことは褒めてやる」

 その言葉は、水中なのに明瞭に聞こえました。
 私を翻弄していた水の流れが止み、同時に首根っこを掴まれて水から引き上げられます。
 ちょ、ちょっと! 首締まってます! 苦しい!
 その人の手は私の首を一蹴するほど大きかったので、首が締まっていました。
 猫みたいな扱いです。それもダメな奴。
 幸い、その人は私をすぐ解放してくれました。
 さっきの浮島の上に放り投げられたのですが。
 尻餅をついてしまい、お尻がものすごく痛かったです。

「カハハ! なんと無様なことよ! 転ぶだけで余を興じさせるとは大した道化よな!」

 自分が放り投げといて酷い言いぐさです。
 私はお尻の痛みに涙目になりながら、その声の主を見ました。
 予想通り、さっきまで柱の中に閉じ込められていた魔王(仮)さんでした。
 背中の大きな翼を広げ、空中を優雅に飛んでいます。
 さっきまでのただ美しい感じは消え失せ、いまは何か底知れぬ荒々しさを感じさせます。 ゆらゆら揺れてる尻尾ですら、岩をも砕きそうな力を醸し出しています。

「おい、道化。貴様、余の言葉はわかるであろう?」

 魔王(仮)さんはそう呼びかけてきました。
 言葉を理解できてはいたので、頷きます。
 なぜ急に理解できるようになったのか、その答えは明白でした。
 私の反応を受け、魔王(仮)さんは満足げに頷きます。

「カハハ! 封印状態では魔法を使えんかったからな。だがこうして解き放たれた以上、自在に魔法を使える。異世界人であろうと会話を交わすくらい、造作も無いわ」

 やはり、魔王(仮)さんがそういう魔法を使って理解出来るようにしてくれたようです。
 そんな便利な魔法があるのなら、この腕輪にも付けてくれれば良かったのに。

「む……? なるほど、小賢しいことを考えよるわ。人間」

 私の視線を追ったのか、魔王(仮)さんが私の腕輪に気づきました。
 そしてふわりと近付いてきて、腕輪ごと私の腕を掴むと。

「『破壊の魔手』」

 その呟きと同時に魔王(仮)さんに掴まれている部分が光りました。
 そして、腕輪が粉々に粉砕されます。
 私がどうやっても外れそうになかった腕輪が、細かな残骸になって崩れ去りました。
 え、ちょっとなにしてるんですかこの人!?
 魔王(仮)さんは一瞬、不思議そうな顔をした後、余裕のある笑みに戻ります。

「いまの腕輪は人間どもが用意したつまらぬ安全策よ。この封印の間に近付こうとした者に警告を与え、それでも進むようなら強制的に呼び戻す役目があったようだな。余の封印を解かれては敵わぬとはいえ、余の影響を受けて生まれたダンジョンを放置するのは惜しい。ゆえに挑戦者に対してそんなものを用意した……というところであろう。貴様には利かなかったのか、貴様に聞く気がなかったのか……まあよい」

 つらつらと述べられる魔王(仮)さんの言葉に、なにやら不穏な内容があったような。
 私は恐る恐る、魔王(仮)さんから離れます。それに対し、魔王(仮)さんはゆっくりと近付いてきました。

「何を怯える? 犯されるとでも思っておるのか。痴れ者め。誰が人間などという下賤な者と交わりたいと思うか。本来なら、挽肉にして配下の獣の餌にするところだ」

 嫌な予感は見事に的中しました。
 ダメです。この人完全に人類の敵のパターンです。
 解いちゃいけない封印を解いてしまったパターンです。

「安堵するが良い。余の封印を解いたという功績に免じて、挽肉にはしないでおいてやる」

 魔王(仮)……いえ、本物の魔王さんの背後に、無数の幾何学模様が刻まれた陣が出現します。
 そこからいかにも凶悪な魔物や、触手、様々なものが這いだしてきました。綺麗な人型は魔王さんだけで、他はもう醜悪だったりそもそも人型ですらなかったり様々なでした。
 そうですよね、魔王の軍勢っていったらそういうのですよね。

「余の配下の中には、人間の雌をいたぶることを好む者もおるからな。そいつらの慰み者にしてやろう。余の役に立てるのだ。素晴らしいだろう?」

 それのどこが素晴らしいんですか!
 逃げようとした私の身体に、気持ち悪い触手が巻き付きます。速くて逃げる暇もありません。
 ヌメヌメしてて気持ち悪いです!

「ちょ、ちょっと待って――むぐぐっ」

 なんとか話し合いが出来ないかと開きかけた口に、触手が潜り込んできました。
 言葉すら奪われて、抵抗する機会も、和解する機会も奪われてしまいました。

「カハハ! 余を封印した愚かな人間どもに死を与えてやろう! 貴様は特等席でその光景を眺めておるがよいわ。……まあ、いつまで正気を保てるかは、保証せんがな」

 上半身が牛の化け物が近付いてきました。その股間にあるものが大きく立ち上がっているのをみて、私はそれで犯されようとしていることを嫌でも理解します。
 触手によって大股開きにされてしまった私には抵抗することもできません。
 無様な私の格好を笑ってか、魔王たちの笑い声が響き渡っています。

 こうして、異世界に転移した私は、悪辣極まりない魔王を解き放ってしまい、そしてその生涯を悲惨な形で、理不尽に終え――




 その時、地を裂くような咆哮が、天井を突き破って落ちてきました。


つづく
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