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黎明媚態

露出系、羞恥系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。

バスタオル一枚で異世界転移 第三章 3

 手早く股間の洗浄を済ませ、私は池からあがりました。
 そして、茂みの中で頭を抱えつつ、現状わかったことを整理することにしました。
 正直なところ、私自身ではなく、バスタオルに不思議な力が宿っているのではないかというのは、半ば予想できていたことでした。
 水から上がったとき、私の髪は濡れていたのに、タオルの方はあっというまに乾いたこと。同じようにヒポグリフの血に汚れたはずなのに、身体の方には若干汚れが残り、タオルの方には全く汚れが残っていなかったこと。
 それらのことから、タオルの方に何らかの力が宿っていると考えるのは自然でした。
 ただ、それでも自分の方にも何かしら力が宿っていると思いたかったのです。ゴブリンの投石があたったとき、当たったのはむき出しの肩でしたし。
 だから、タオルだけでなく、自分自身の身体も多少は頑丈になったと思いたかったのです。それが裏切られた形でした。

(私にも何か力が宿っていればいいんですけど……望み薄ですね)

 一応、私自身にもなんらかの力が宿っている可能性は、完全には否定されていません。
 ステータス画面のようなものを見たわけではないのですから。
 環境変化の無効化だけがタオルの力で、自分自身にも何らかの力が宿っていると思いたいところです。
 それこそドラゴンのブレスを無効化した力とか。
 けれど、それを安全に確かめる術もない現状、そう考えるのは危険でした。

(とにかく、このバスタオルは、ぜったいに手放せませんね)

 現状、私の持っている物はこのタオルだけです。
 人里に行けたら物々交換を持ちかけてでも服を手に入れようと思っていましたが、その方針は転換せざるを得ないようです。
 このバスタオルが生命線だとわかった以上、決して手放すわけにはいきません。
 そうなると、何か代わりになるような物を用意したいところですが、それはいまはおいておきます。

(このバスタオルが、どの程度耐えられるのか探らないと……)

 私は自分には何の力もなく、このバスタオルがすべての無効化能力を持っていると仮定して考えることにします。
 少なくとも私とバスタオルが揃っている状態なら、環境の変化にもドラゴンの挙動にも耐えられることは確実なのですから、ひとまずはそう考えるべきでしょう。
 巻き付けている状態のバスタオルは、自分の動きではほとんど落ちません。
 一度確認しましたが、飛んだり跳ねたり、回転したりしても落ちないのです。
 意識して身体を捻ってみたり、曲げたりしてみましたが、結び目というか、折り返して止めている部分は小揺るぎもしません。

(普通ならとっくに解けてるはずですから……きっとこれもバスタオルの力ですね……)

 また、ドラゴンがじゃれついて来た時、爪が引っかかったりしてかなりタオルを引っ張られましたが、それでも外れませんでした。
 ドラゴンにそのつもりがなかったからかもしれませんが、他者に無理矢理脱がされるということもひとまずは心配しなくてもよさそうです。
 そうなると考えられる最大の問題は、不慮の事故で外してしまう、ということでしょう。
 例えばうっかり指が引っかかった、とかです。
 私はバスタオルの折り返しに指を入れ、そして、肘を近くの木の幹に押しつけるようにしてタオルが外れる方向に力を入れてみました。
 すると、タオルは身体に沿って回っただけで、外れませんでした。

(これでも大丈夫……なら、引っ張ってみるのは……)

 私はタオルの裾を持って、広げる方向に引っ張ってました。
 あとから考えると、まるで裸を晒す露出狂のような動作でしたが、真剣に考えていたので気づいていませんでした。
 そうしてタオルをぐいぐいと引っ張って見ても、折り返しが解けて脱げてしまうということはありません。
 明らかに不思議な力が働いています。
 それだけしっかり脱げるのを阻止してくれているのに、脱ぐつもりで折り返しに手をかけてみると、あっさりと外れてしまいました。

(うーん……不思議ですね……なんというか……電磁石のオンオフを切り替えてるみたいです)

 一体何がどう作用すればこういうことになるのか不思議でした。
 とにかく、このタオルは私が脱ごうとしない限り、少なくとも不慮の事故で外れる、ということはなさそうです。
 この訳のわからない不親切な世界に来てようやく、初めての良い情報です。
 私は改めてタオルをしっかり巻き直して、外れないようにしました。さっきのことからすると、この辺りはものすごく気温が低いようですし、裸でいたら死んでしまいます。
 他に調べられそうなことは、と思考を巡らせようとしたとき、私を隠してくれていた茂みが急に倒れ、視界が開けました。
 驚いて周囲を見渡すと、どうやらあの三人の美女さんたちが何かしたようです。
 手を翳して、何らかの力を使っているようです。サイコキネシスというものでしょうか。
 どうしてそんなことをしたのか、という疑問は一瞬で氷解しました。

「ぐるるる……」

 寝ていたドラゴンが起き、此方を見ていたからです。
 どうやら起き出したドラゴンが私を探し始めたので、美女さんたちが私の姿が見えるように茂みをどかしたようです。
 三人のうちのひとりが慌てた様子で私の傍に来て、手を取って引っ張るので確実にそのようです。
 私を探してドラゴンが森の中に入れば、森の木々をなぎ倒してしまいますもんね。
 三人の美女さんたちの気持ちがなんとなくわかったので、引っ張られるのに抵抗せず、ドラゴンの傍に戻ります。
 ドラゴンは私が傍に近付くと、上機嫌に鼻先をすり寄せてきました。
 サイズ差がなければ、純粋に懐かれている仕草なので悪くないのですが、例えば象の手加減なしのスキンシップに耐えられる人間がいるのかという話でして。
 私は物の見事に押し倒され、ぐりぐりと地面に押しつけられてしまいました。

「ぐえっ……! ちょ、お腹を押さないでください……っ!」

 恐らくこのドラゴンは人に接した経験がないのでしょう。ドラゴン同士ならじゃれつきで済む行動も、私にしてみれば交通事故です。
 というか、私が押しつけられた地面が私の形にわずかに陥没していました。軟らかい地面というわけでもない、普通の地面なのにです。
 普通こんな力でお腹を押さえつけられたら、内蔵が破裂するか、背骨が折れるか、あるいはそのどちらもか、でしょう。死にます。
 しかし、これもバスタオルの力か、私はちょっと苦しいくらいの感覚で済んでいました。
 文字通り無邪気に殺しにかかられてるわけですが、私は冷静でいることができました。バスタオル様々です。

(ほんと、じゃれついてくるだけなら可愛いんですけどね……)

 風貌は世にも恐ろしげなドラゴンですが、慣れてくると愛嬌が感じられます。
 ちょっと大きすぎる大型犬だと思えば、怖くはなくなっていました。
 ただ、懐かれているからいまはいいのですが、その懐いたらしい要因がバスタオルの力だというのが問題です。
 バスタオルを人に渡せば、改めてその人に懐くかもしれません。
 このドラゴンは私という存在に懐いているわけではないのです。
 それは、この先ドラゴンと行動を共にするには恐ろしい事実でした。

(もしこのバスタオルを誰かに奪われたら――いえ、危惧すべきはそれだけではありません……)

 不慮の事故で外れそうにないのは確認しましたが、ここは魔法がある世界です。
 私の思いもかけない方法でバスタオルが奪われるかもしれません。
 さらに、奪われるというだけではなく、バスタオルの効力が突然切れることも考えられました。
 なにせ、どういう理屈でこの効果が発動しているのかもわからないのです。
 身体を動かすとお腹が空いたように、この世界でも『何かを動かすために何かが必要』という基本原則は変わらないと考えられます。
 それなら、このバスタオルにもその効果を発揮するための『何か』が消費されているはずで、それが何かもわからない今、いつその効果が消えてしまっても不思議ではありません。
 私は現状をまとめてみることにしました。

(異世界の住民との意思疎通が困難で、最高の防御力はあっても攻撃的な装備はなく、世界に対する基本的な情報すら不足していて、さらに私を守ってくれている力に時間制限があるかないかも不明……うん、ほんとふざけてますね)

 さらに、いまは好意的ですがいつなにがきっかけでそれが覆るかわからない、魔王級ドラゴンのおまけつき。
 ドラゴンがいなければ魔王さんの時点で詰んでいたので、感謝するべきなのでしょうけど、ドラゴンがいるために今後の行動は相当難しくなってしまっています。

(とにかく、まずは落ち着いて、目標を整理しましょう……)

 最終目標はこの世界から元の世界に帰ること。
 中期目標はこの世界での生活基盤を確保すること。
 短期目標はこの世界の基本的な情報と、装備を手に入れること。

(……いえ、それよりもまず、ドラゴンさんとの意思疎通ですね)

 それができないと、まず人里にいくことが出来ません。
 今の段階では途方もない話ですが、一つずつクリアしていくしかありませんでした。
 私は改めてドラゴンとの意思疎通を試みることにします。
 美女さんたちにやったように、絵を描いてこちらの意思を伝えるのです。

つづく
 
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